エンゼルフィッシュ飼育

エンゼルフィッシュの飼育と孵化した稚魚との物語

熱帯魚の女王

エンゼルフィッシュの飼育

きれいな熱帯魚を飼おうと近所の熱帯魚も売っているペット店に行った。熱帯魚の中の真っ黒なエンゼルフィッシュに一目惚れ。先ずは熱帯魚観賞用の水槽と白砂と珊瑚と循環ポンプ等1式を購入。翌日ブラックのエンゼルフィッシュを買いに訪れた。え!この魚は海水魚ではないの?

エンゼル・フィッシュ・ストーリー ディスカス・ストーリー 熱帯魚飼育用の水槽 サーモスタットとヒーター

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水質の管理  水草の役割と選ぶ時のポイント  熱帯魚の繁殖

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エンゼルフィッシュを海水にいる熱帯魚と思って購入したが、ああ勘違い!淡水魚の熱帯魚

かいがいしく稚魚の世話をするエンゼルフィッシュの両親


夜な夜な酒を飲みながらテレビでサッカーや野球を見ているのもなんとなくつまらなくなった。

半年前、13年間も生きていた鯉のような見事に成長した金魚が相次いで死んでしまいました。

夏祭りですくった金魚3匹のうち2匹が、思っても見なかった25p〜30pの大きさまで成長していました。

その鯉のような金魚の水槽は毎週1回、水替えしていました。

その時に水道から直に繋いだホースから水を流し出し、もう一方から汚れた水を2個のバケツに流し出していましたが、ちょっと水温の変化が応えたのかも知れない。

それにどうやら寿命も来ていたのでしょう。


今我が家で我が物顔で歩き回っているゼニカメの寿命は、30年と聞いたけれど、魚の寿命は短いですね。

夜店の駄金でもそれなりに世話をしていたので、掃除の時に手を突っ込んで底石の間の汚れを引っかき回していると金魚が手の平にすり寄ってきたりもしていました。

金魚がかわいかったですよ。

13年間生きてきた金魚が死ぬとやはり淋しい。

水槽など道具1式は、粗大ゴミとして捨ててしまいました。


それ以来水槽を置いてあった台には、花瓶などが置いてあります。

僕としては、鉄道模型のジオラマでも作って置いておきたいところなんですが、妻はいい顔をしていません。

凝り性の僕が鉄道模型を始めたら、大変だと思っているようです。

妻は、淋しそうな僕を見て、「また熱帯魚でも飼ったら!」

「今度は、ありふれた金魚でなくサイパンやハワイで見てきたようなトロピカルな熱帯魚にしてほしい」と言っていました。

娘たちも妻の味方です。


 我が家に熱帯魚がやってきた

ある日次女と熱帯魚を売っているペットショップに見に行きました。

熱帯魚が、こんなにもいろいろな種類がいることを知りませんでした。

そのなかでも、エンゼルフィッシュの泳ぐ姿はよく目立っていました。

娘もこの優雅な姿のエンゼルフィッシュを気に入りました。

皆さんはお気づきでしょうが、エンゼルフィッシュは海水と淡水に住んでいる両方がいるのです。娘と見たエンゼルフィッシュを、てっきり海水魚だと思いこんでいました。


先ずは熱帯魚観賞用の水槽とサンゴと白砂と人工塩、循環ポンプ等一式を購入。

熱帯魚にかかわらず、どんな魚も水の水質が大事ということぐらいは知っていますから、まずは魚の住む環境作りからというつもりで早めに買いました。


丸1週間水を循環させておき、翌週、いよいよ水草と気に入ったきれいな熱帯魚を買おうと娘を連れ再び行きました。

娘はあまり大きくならない、といっても成魚になると25p位という黄金色のきれいなアフリカン・エンゼルフィッシュが気に入りましたがちょっと高い。

1匹10万円以上します。

初心者なので、うまく育てられるか自信がなかったので、1000〜5000円の魚たちのなかから捜すことにしました。

60pの水槽だと成魚になっても15〜20センチの熱帯魚しか飼えそうもありません。

2人で15センチくらいにしかならないというエンゼルフィッシュを買うことにしました。


  真っ黒なエンゼルフィッシュ

  

並んだ水槽に、見事に真っ黒なエンゼルフィッシュが目に付きました。

黒光りした胴体に真っ赤な目が印象的なブラックエンゼルフィッシュ。

値段も一匹700円で手ごろだ。

この時まで娘と私はこのエンゼルフィッシュも海水魚だと勘違いしていたのはお笑いですが…

熱帯魚を飼うのは初めてなので、店員を引っ張ってきて初めて淡水魚だということを知ったのでした。

店員の話だと、
「これだけ色の混じっていないブラックエンゼルは滅多に手に入らないので、これはいい買い物ですよ。」

残念ながらブラックエンゼルは1匹しかおらず、あとはしま模様のワイルドエンゼル、胴体はピンク色で背中が黄色のゴールデンエンゼルを指名しました。

種類の違うエンゼルフィッシュを3匹購入することにしました。

娘は、
「お母さんは海水魚じゃないからがっかりするかなあ。」と言っていました。

せっかく海水魚用のセットを買ったのに、また淡水魚用に水替えしなければならないがしかたがない。

通常は水が落ち着き、水草もきちんと植え込んでから数日後に魚を入れるのが良いのですが、また店に行くのも面倒です。

また、気に入った1匹しかいないブラックエンゼルが売れてしまっては残念なので買って帰りました。


時間をかけて作っておいた塩水は捨て、水槽もポンプ類も白砂も飾りもすべての道具は何回も水洗いしました。

サンゴは、淡水では死んでしまいますから、残念ながら入れられません。


水道水にカルキ抜きをたっぷり入れた、淡水を作りました。

白砂にアクセントの木を置き、ヒーターもセット、追加で買ってきた水草も植え込んで4時間余り水を回流させておきました。

その間、エンゼルフィッシュは、ビニール袋に入れたまま、水槽の中に浮かしておきました。

これは、水温に慣れさせるためでもあります。

エンゼルフィッシュの水の適温は、26度〜28度。

サーモスタット付きヒーターは欠かせません。

500円玉より少し大きいエンゼルフィッシュの稚魚を水槽内に放したらみんな元気。

くっついたり離れたりしながら元気に泳ぎ回っていました。

熱帯魚用のエサは、1時間経ってから少し与えました。


 水草が多すぎた

     

あれから1年半、身体の大きさが2匹と較べて半分くらいだったゴールデンエンゼルフィッシュは、身体の大きい2匹にいじめられたのが原因で死んでしまいました。

死ぬまでは、隠れ家になるようにと、水草をたくさんレイアウトして入れておきました。

ゴールデンエンゼルフィッシュが死んでからは、水草は減らしました。

魚の成長と共に、水草を少しずつ減らしていきました。

エンゼルフィッシュを飼うには、60センチ水槽では、狭すぎたようです。

途中で、水草は入れない方がいいと思いました。

ただ、緑色の水草がないと、少し淋しい水槽になってしまいます。

結局、1種類の葉の丈夫な水草だけにしました。

水草がひとつあるだけでも水槽の掃除が大変でした。

水替えは、最低でも、週に1回はしていました。

1週間以上ほったらかしにしておくと、生臭くなってしまうのです。

時々、生き餌も与えないと元気が無くなると思い、イトミミズも与えていました。

エサを与える量が多すぎるのかも知れません。

でも、僕の顔を見ると、エサをほしがるものですからつい…つい…

熱帯魚たちは、水槽の中から、人の様子を観察しているように思えます。

人の顔もよく覚えています。


  産卵と孵化は見ていて楽しい

10センチ以上になった元気な2匹のエンゼルフィッシュは、水が温む季節になるとせっせと長い草の葉やプラスチックのポンプ筒に卵を産み付けるようになりました。

人が覗き込んでいてもまるで気にしていない様子。

人と魚の信頼関係が生まれているのかも知れません。

週1回のペースで水替えするのですが、水がきれいになると中1日で産卵が始まります。

本で勉強したり、ネットを見たりで、僕も子育てがうまくなりました。

産卵から3日もすると卵はふ化します。

それまで2匹の親エンゼルは常にどちらかがひれで産卵した卵の周りに水を吹き付けています。


ふ化してからも親はせわしなく面倒をみています。

孵化した2〜3ミリの稚魚を親はせっせと口に含み、別のきれいな葉っぱの上に吹き付けてくっつけていきます。


稚魚は、2日もすると葉っぱから離れて泳ぎ出すからたいへんです。

面白いことに親の2匹はボウフラのようにフラフラと泳ぎだした稚魚を片っ端から口に吸い込み、まとめて元の葉っぱの上に吹き出して戻しています。

起きてから寝るまで、水槽をのぞき込むたびにその繰り返しをしていています。



水槽の外から親子を見ている分には楽しいのですが、稚魚の餌作りがたいへん面倒なのです。

2リットル入りの空ペットボトルを20p位残してカットして、ひもを通し水槽の中にぶら下げます。



  稚魚のエサの作り方

泳ぐ水槽と同じ水をペットボトルの中に入れ、丸いエアレーションで活きよいよくぶくぶくと空気を送り込む。

その上、はかりできちんと比率を測った塩を放り込む。

その中に稚魚の餌となるブライアンシュリンプの乾燥卵をスプーンで適当に放り込む。

24時間で餌のブライアンシュリンプが泳ぎだします。


我が家の場合は、親の入った水槽の隣に稚魚用に30pサイズの小水槽を準備しました。

その中に、更に10×7p位の透明プラスティック製の稚魚用ボックスをぶら下げました。

この透明プラスチックの中に稚魚を移し替えます。

必ずといっていいほど親に噛みつかれますが、長いスポイトで泳ぎ始めた稚魚を吸い込み隣の水槽の稚魚ボックスに移し替えてやります。

これは、親の水槽は流れが速いのと親の泳ぐ時起こす水流で稚魚が葉っぱから落ち、敷き詰めてある石の間に挟まって死なせないためです。

親がいる水槽から稚魚だけを片っ端から吸い取って、隣の穏やかな水槽に移し替えてしまうのです。

親と一緒の水槽に入れた稚魚用のボックスは、水面すれすれ。親がぶつかると、傾いてしまいます。

小さい稚魚は、広いところが好きで、安全な透明箱にはほとんど残っていません。

稚魚のエサのシュリンプは親も大好き!

シュリンプを与えた時は、稚魚はほったらかし。稚魚用のエサを夢中で食べます。

ボックスから逃げ出た稚魚たちは、エサを食べるどころか、親の起こす水流に翻弄されています。

お腹が空いた稚魚は、エサのシュリンプを追いかけるどころではありません。

この状態だと、稚魚は3日も生きられないので、スポイトで吸い込んでは専用ボックスにもどしてエサを与えます。

手間を掛けていましたが、2週間後の生存率は、ほぼゼロに近くなります。


下の写真は、親子同じ水槽に入れていた時。

  

そこで、親とは別の稚魚用の水槽を用意しました。

水流の少ない水槽のボックスの中でゆっくり1ミリ未満のシェリンプ餌を食べさせたのがよかったせいか、移し替えた300匹くらいのうち30匹位は生き残るようになりました。

下の写真の大きさになるには2ヶ月近くくかかります。


  


エンゼルフィッシュの稚魚は、1ヶ月で7〜8ミリくらいに成長します。

このくらいの大きさになれば、ボックスの上から泳ぎ出られるようにしてやると元気の良い稚魚からどんどん30p水槽の方に移っていきます。

臆病な稚魚は小ボックスの方が住み心地がいいみたいですが、心を鬼にして追い出してやります。



稚魚のエサは、徐々にシュリンプから、イトミミズに替えていきます。

エサは上からぶら下がっているすり鉢型の容器にイトミミズをいれておくと、片っ端から引っ張り出し食べています。



親のエンゼルフィッシュは、自分の餌を食べている時以外、かわるがわる隣の子供達の水槽を見ています。

ただ稚魚の水槽を熱心に見ているのは、2週間ほどだけです。

   


エンゼルフィッシュは、夏場になると3週間おきに産卵します。

親と一緒の水槽でも育つという人もいますが、ある程度大きく育たないと稚魚は餌を食べられませんでした。

見ていると餌のブライアンシュリンプも水流に乗って泳いでいるわけですから、3ミリ程度のエンゼルの稚魚ではなかなか捕まえられません。

私も3回ほどその状況を見ていましたので、別水槽を用意してたくさんの稚魚を成長させることができました。

     

エンゼルフィッシュの親は、自分の子供を忘れてしまいます。

半月ほど経つと、自分の子供でも攻撃します。噛みつきます。

稚魚が1p以上になった時、何匹かを試しに親の水槽に移し替えましたが、とたんに親に攻撃され殺されてしまいました。

親子を同じ水槽に入れておけないので、水槽は3個に増えてしまいました。

ふ化したばかりの稚魚の水槽と、1センチ以上に育った子供たち用の水槽が2つです。

30センチ水槽に小さいとはいえ1〜2センチに成長したたくさんのエンゼルフィッシュを入れておくと、水は20日くらい経つと茶色に濁ってきます。

エサがイトミミズのせいもありますが、水草もないし、バクテリアが育たないのが原因です。

上の写真のように浄化フィルターが小さすぎるのも原因だと思います。


親の水槽は、上部フィルターが効き目があるので1週間は半透明水に見えますが、1週間に一度、水槽の半分くらいの水は取り替えてあげます。

生き物は、水が命ですからね。


子供の方の水槽は、初めのうち月に2回は水の入れ替えをしていました。


エンゼルフィッシュは、気温の高い時期だと、次から次に産卵とふ化を繰り返すわけですから、1ヶ月半も経つと稚魚達を育てるのが面倒になりました。

水槽をこれ以上増やしたら、とても稚魚達の面倒見切れません。

えさ作りも大変になります。

そこで親を買ったショップに相談して、100円玉以上に育ったエンゼルフィッシュだけを引き取ってもらうことにしました。

ショップには、半年間で4〜5回のペースで持ち込みました。


言い忘れていましたが、真っ黒な2匹から生まれた子供達には親と同じみごとなブラックエンゼルは1匹もいませんでした。

どこかしらに白が混ざったり、グレーになったりしたエンゼルフィッシュは、マーブルエンゼルとかハーフエンゼルとして、1匹350円で売られていました。

引き取ってもらったエンゼルフィッシュが売れたからといって、僕にはえさ代のサービスもありませんでした。

ちょっと期待していたんですけどね。



 熱帯魚の女王、あっけなく死す

ほぼ5年間忙しい思いをさせてくれたけど大いに楽しませてくれた真黒で赤目のブラックエンゼルフィッシュは、つれ合いが居なくなった半年後、悲しみのうちにあっけなく死んでしまいました。

あれから3年、同じ水槽でディスカスが2匹とグラミー2匹が泳ぎ回っています。

行きつけになった熱帯魚販売店の店長と顔を合わせると、
「あの時の真ブラックエンゼルは、ほんとに子育て上手だったんですね」などとあらためて想い出話が出ます。








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