仕立て船のハゼ釣り

東京湾での仕立て船は両手に花の楽しいハゼ釣りだった

仕立て船

両手に花のハゼ釣り大会
仕立て船でハゼ釣りと喜んだ男の話。仕立て船は仕事仲間の慰安ハゼ釣り大会だった!仕立て船では両手に花と鼻の下を伸ばしたが結末はいかに。両手の花にお酌され飲む酒の味は美味かった。仕立て船ではこんな楽しみ方もある。
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仕立て船でハゼ釣りに行った時の話。両手に花のうれしい釣りと喜んだ男の結末は
        

ことのほか自由を愛する私なので、お銚子とコップ片手の納涼船ならともかく、乗り合いの船釣りは行くことがめったにない。

自由云々というよりも、船に酔いやすい体質だからだろうか、ゆらゆらする釣船の船上で餌を付けるため下を向く時、波間に漂っている竿先を見ている時、いつも気持ちが悪くなる。

青い顔してげーげーやっている人もあまり見たくない。

私は同情された目で見られたくないのだ!?


「近々会社の懇親会は仕立て船のハゼ釣りを計画しています。そこでビールとうまい天ぷらでも食べませんか。手ぶらでいいですよ。」

というSさんからのお誘いにもどうしょうかと迷ったが、せっかくのお誘いだし、酔い止め薬を飲めば大丈夫だろうからと同行することにした。


 駅近の釣船屋から出発

朝8時に浜松町駅で待ち合わせをして、徒歩10分くらいの釣船屋に行くと、すでに総勢15人ばかりの男女が到着していた。

Sさんの勤めている事務所では、秋の恒例行事として、3年前から毎年ハゼ釣り船を企画しているということでした。

幹事の若者が「会費は一人頭5000円です、出発前にお願いしま〜す」。

私も何人か顔見知りがいる事務所の仲間達から徴収している。

以前乗船した納涼船は、たしか、、、。

バカに安いので聞いてみると、会社で5000円の補助をしてくれているとのこと、いい会社ですね。

わたしは部外者のゲストですので「はい、1万円」

船宿の後ろにはすでに釣船が待機している。

早速順番に乗船、思い思いの場所に陣取ると、いよいよ出発である。

ところでこの船が浮かぶ川の上空には首都高環状線が走っており空がほとんど見えない。

運河だか川だか区別の付かない水面に進み出して5分ばかりすると突然待望の海が目の前に広がった。

浜松町駅を左手方面に山手線とモノレールの下をくぐり、直進するとすぐに東京湾です。

右手の岸壁には水上バスが停船している。

横文字が書いている貨物船が積み荷の上げ下ろしをしている芝浦ふ頭の先には、上を通過する車が見え隠れしているレインボーブリッジが大きく姿を見せている。

Sさんの同僚のOさんお話だと、釣り場は船長任せとか。昨年は羽田沖に行ったが今日は少し風があるのでもっと近いところで釣るのではないかという。

確かに初心者の釣り客が多いの場合、波が弱まる近場の方が船酔いしないのだろう等と話していると、レインボーブリッジの下あたりに停船した。

この場所はいい釣り場なのだろうか、この船の付近には同じような釣船が何艘かアンカーを降ろしている。

私は揺れの少ない操舵室の真横の胴の間の取り舵側(左舷)、左右には釣りはあまりやったことがないという若い派遣社員の女性二人に挟まれた位置に陣取っている。

もしかして幹事が気を利かしてくれたのかも知れない等と鼻の下を伸ばしていたがどうやら2人の面倒を見てもらいたいらしい。

船に備え付きの釣り竿を3人分準備して、2人の乙女には餌まで付けてやらねばならないはめになった。

2人目に餌を付けて渡すまもなく、左隣の女性の竿先がプルプルしている。

竿をあげると形のいいハゼがぶら下がっている。

手元に用意してあるタオルでハゼをつかみはずしていると今度は右側もプルプルです。

あっちでもこっちでもプルプルでが始まっている。

女性に対しては特にサービス精神が旺盛になる私、ついでにこちらの獲物もやさしく針はずしです。

 

 両手に花でいそがしくとも

短くカットした餌を適当にくっつけてやり、自分も何とか竿を出せたのは、2人が数匹づつつり上げ、やっと落ち着きが出てきた頃です。

5匹ほど釣り上げたところで、幹事とSさんが缶ビールの配給で近寄ってきました。

「両手に花とはうらやましい限りですね。うちの娘(こ)たちは職場と違ってかわいいでしょう。今日はサービス係ですから何でもやらして下さい。」

ですと。

こちらも大人ですから「こちらこそ。気を使って頂きありがとうございます。」と言ってやりました。

氷の入った大きい共同のクーラーボックスにハゼが数え切れないほど入いる頃、天ぷらパーティーです。

真ん中の長テーブルを間に挟み向かい合って座りました。船長がトモ(船尾)で揚げたばかりのシロキスやハゼ、カボチャなどの野菜の混ざった天ぷらがいくつかの大皿に盛られて運ばれてきました。

自分たちのつり上げた魚はおみやげ用、船上で食べる天ぷらは初めから用意されていたものです。

気の利いた幹事はビールの他に1升瓶の酒やワインも用意していました。

途中でトイレに立つ人以外は危ないから座っているようにと注意され、最後まで同じ場所にいましたが、先ほどの女性二人の代わりばんこのお酌で飲む酒はつかの間を忘れさせてくれるいい雰囲気で甘露甘露でありました。

つまみが天ぷらばかりで多少物足りなさを感じましたが、きれいにみんなの胃袋に収まりました。

近くを通過する大小の船に手を振ったりする人もおり、なかなかにぎやかなご一行様としてまた高速道路の下をくぐり抜け、船宿に帰り着きました。

下船時は少しふらふらして危なっかしい人もおりましたが、全員無事帰還。

私も心配していた船酔いはしませんでしたがいくらか酒酔いしたようです。

私はこの場で解散ということなので帰ろうとしましたが、Sさん達に連行拉致され2次会の焼鳥屋までおつきあいさせて頂きました。もちろんここでも祝杯をあげたことはいうまでもありません。

おまけに帰りには、今日のご褒美のおみやげとして携帯釣り竿セットまでいただき、感謝感謝の1日です。

仕立て船で釣りと味覚を楽しむという秋まっただ中の10月の日曜日でした。

今日は楽しい仕立てた船でのハゼ釣り大会、SさんOさん同僚の皆さんありがとうございました。








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