潮干狩り

ゴロタ場のちょっと変わった潮干狩りで天然あさりがザクザク

潮干狩り

ゴロタ場で天然あさり

このページでは変わった潮干狩りを紹介している。潮干狩りは小磯や河口の真水がしみ出す海岸でゴロタ場の方が収穫が多く簡単。砂浜の潮干狩りより天然あさりがいる可能性が大。潮干狩りには休憩用の折り畳みイスも持参した方が賢明かも。



潮干狩り! ゴロタ場の方が天然アサリを収穫する可能性が大きいようだ

      

 うららか陽気に誘われて

風もなく珍しいほど青空に恵まれた桜も散った4月の半ば、穏やかでぽかぽかな日和です。

紺碧の海面は波がのたりのたりとうねり、かなたに富士山が裾まで広がってくっきりと浮かび上がっているのが見えます。

こんな日の海辺は本当にのどかです。


今日は釣りの準備もしてこなかったので、さてこれからどうしようかな?

ここは相模湾の一角、湘南海岸のはじっこのあたりです。

この近くに学生時代の仲間のWの家があるのを思い出した。

家にいれば、呼び出してそこらで一杯と考えた。

電話帳で番号を調べ、電話してみると旨い具合に在宅していた。

「おう!お前から電話とは珍しいな〜。そこから15分くらいだからすぐ来いよ!」と言ってくれたのでずうずうしく寄ってみることにした。

駅前でケーキを買い教えてもらった道を車を走らせていくと、道ばたに佇んでいるなつかしいWの姿。

「今日は妻も子供もいる、家族で潮干狩りに行こうとしていた、一緒に行かないか」という。

潮干狩りをしたのはだいぶ前だったが、昔なじみの家族と一緒なら面白そうということで挨拶もそこそこに用意してくれた長靴と軍手と麦わら帽子の姿に変身し、小さな熊手とポリバケツを持って出かけた。


 天然アサリの獲れる穴場はゴロタ場 

        

ここらあたりの海岸で潮干狩りをやっているのを見たことがないような気がするというと、天然アサリの採れる秘密の場所があるとのこと。

砂浜でなく山から流れ出る川が流れ込む近くのゴロタ場で採れるという。

学生時代、同級生仲間数人でWの家に泊まりがけで遊びに来た時、沢カニをバケツ1杯捕まえた見覚えのある場所だった。

天然アサリは小磯や河口の真水がしみ出している場所で捜す方が、普通の砂浜より生息している可能性が高いとWの奥さんもいう。

そういえば、大潮の干潮時に東京湾の江戸川河口の干潟に天然アサリを採る人が大勢集まっているというニュースをテレビで見たような記憶がある。

30分ばかり歩くと記憶のある川の河口にでた。

まだ潮が完全に引いていないので海水が膝下くらいまである。

この川の河口付近はきれいな砂浜というより、大小の石が点在するゴロタ場である。

もう少し潮が引くまで待とうと家から持ってきたケーキとお茶とジュースを囲んで、海を見ながら昔話などをしていた。

そうこうするうちに潮もほとんど引き、砂がむき出しになってきた。

貝はそのゴロタ場の石をひっくり返し、ちょっと掘れば採れるよ!と半ズボン姿の小学生の息子が早速かがみ込んで石をひっくり返している。

私たち大人も子供に負けじと腕まくりして石の間のしめった砂を掘りだし始めると、確かに天然のアサリをみつけることができた。

貝がいるところは砂の上に小さいが空気穴があるのでそれを捜して掘ったら効率が良いとどこかで聞いたのを思い出した。

それに貝は同じ場所に集まっているとも。

あまり大きくなく、手頃な石をひっくり返すと、その下にカニや巻貝の仲間が隠れている。

目標の貝はその下にいる。

海水が引いたこの場所で、軍手をはめた手で石をひっくり返すか、石の脇をスコップで掘り起こしているのは我々一団だけである。

スーパーのビニール袋には10個20個とみごとに貝がたまっていく。

面白がってしばらく夢中で石ころをひっくり返しては、カニの逃げた後にもたもたしているヤドカリはほっておいて砂だらけの貝だけを拾い上げる。

ひっくり起こした石は、また元の位置に戻しておいてやる。

こうしておけば、またカニやヤドカリが住みかにするだろうし、石にくっついている海草や貝の子供も喜ぶだろう。

偉そうなことを言うわけではないが、神様の作った生き物を人間様だけが収穫の喜びを感じ、自然を荒らしたままにしておくのは、紳士淑女のやることでない。

中腰の姿勢で小さなスコップも使って掘っていると、腰がいてえ!と悲鳴を上げだした。

顔を上げると子供以外の大人3人は同じように腰を伸ばしてトントンたたいている。

潮干狩りをする時は折りたたみイスを持ってきた方がいいなと友達夫婦で話しているが後の祭り。

Wはビニール袋のアサリを潮水を入れたバケツに入れ替え、ここまで採ったらやめようと言っている。

掘り出し初めて2時間あまり、子供が一番たくさん掘り当てたようだ。

さすがは、海辺の町で育った男の子。

バケツの中には天然アサリの他、蛤やバカ貝(アオヤギ)も少し混じっているがなかなかの大漁である。

このゴロタ場の潮干狩りは、ちょっとばかり力がいるが、ズボンやシャツがぬれないし、軍手なので手もあまり汚れない。

こんな場所で天然物のアサリや蛤が思いの外たくさん採れるとは驚きでした。

潮だまりで手の汚れを落とし、持参したペットボトルの水で手を洗い、岩に座って持ってきた残りケーキをほおばるのはまた格別です。

海面には打ち寄せる波頭が規則正しく崩れ、白い波が寄せている。

沖にはハーバーに戻ると見られるヨットが右から左に音もなく横切り、上空では大きな羽を広げたままのトンビが数羽空気の重さを楽しむように滑空している。

今日の獲物の天然アサリはずっしり重い。

それにしても手ぶらで潮干狩りにきたのはちょっぴり残念です。

すっかり潮が満ち、波の音やカモメやトンビの鳴き声を聞きながら、彼方に横切る船などを双眼鏡か望遠鏡で見ていたいと思うのは私だけのようです。


「早く家に帰ってビールでも!」という友の声もかすんで聞こえるくる。

たまたま地元のよくわかっている人間が同行したからいいようなものの、個人的な潮干狩りは禁止という場所もあるようですので注意して下さい。

潮干狩りに行く時は、事前にネットで調べてから行った方がいいですよ。

ゴロタ場の潮干狩りも面白いが、足を踏み外したり、足の上に石を落としたり怪我することもあるので、消毒薬とバンドエードくらいは持って行った方がいいでしょう。

軍手と日よけのストローハット、汚れてもいい靴は用意した方がいい。

手頃なクーラーボックスも持ってくれば、お父さんが好きな冷えた飲み物やお菓子くらいあったほうがより楽しい潮干狩りになると思います。

有料の潮干狩り場以外では、休憩場も自動販売機も見あたりませんので持参が原則です。

小さな子供が一緒の時は、クーラーボックスと食料や着替えなどをキャリアカーに積んで引っ張って来る方が無難ですよ。

たくさんの収穫があれば、帰りの方が重くなりますからご用心。

「もう帰ろう!早く帰りたいよ〜」では、ゆっくり楽しめなくなります。

石に座るのがいやだったら休憩用のイス、風がないようだったらパラソルも立てれば、自分たちの陣地も確保できます。

小さいお子さんが一緒の時は、収穫はともかく、有料の潮干狩り場に行った方が安全だと思いますが、たまには冒険も面白いですよ。

いずれにせよ小さい貝まで根こそぎ持って帰らないで下さいね。

来年もまた多くの人たちが潮干狩りを楽しめるために。

それにしても潮干狩りを楽しむご家族は結構多いんですね。

来年の潮干狩りも楽しみになった一日でした。


このゴロタ場は、現在防波堤工事が行われた為存在していません。

シーズンオフの海水浴場にゴロタ場があれば、石をひっくり返してみると面白いですよ。






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